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タングステンシートの開発秘話?

2018年01月12日 (金)19時31分PM

こんにちは。久々に登場の技術部の川上です。

ここ数年、宴会部長(役職手当無し)として行事の際には仮(女)装をしていましたが、昨年末の忘年会では相方の任が不在な為、新たな相方を探しましたが、残念ながらスカウトが上手くいかず、オッサン一人でやってもしょうがないので断念しました。今年こそ新人をGETして再開したいと思ってます。(これをご覧の当社女性従業員の方、宴会CEOの役職をプレゼントしますので是非立候補をお願いします)

 

さて、今回は弊社開発品のタングステンシートを開発事例と併せてご紹介致します。

そもそもタングステンシートとは、タングステンの比重が重いという特徴を活かした製品です。タングステンは非常に硬く加工し難い材料ですが、ゴムや樹脂を混ぜる事によって柔軟かつ高比重なシートとなっております。比重が重い=放射線遮蔽能力があるので、元々はレントゲンやX線放射装置の被曝防止を狙いとして開発されました。ただ、最近は重さを活かしたウエイトとしての需要が増えております。

 

そんなタングステンシートですが、とあるお客向けにウエイト用として、シートの裏表に両面テープを配置し何処にでも貼り付けられる仕様で量産しています。(1枚で大小2種類の重さ合計20個セット)

 

P1160762

写真では判り難いですが、タングステンシート(t=0.8)を両面テープ(t=0.3)でサンドイッチしています。個別に剥がして使用するので、裏側の両面保護シートには切れ目が入らないハーフカット仕様。また、タングステンは高価なので、余白を極力排しています。

P1160764

厚み方向から。白いものが両面テープの保護シートで、黒がタングステンシートです。

 

 

しかし、ある理由により大の方の直角エッジを無くしたいとの相談が有りました。ここで問題となったのが、抜き型です。

上記の完全四角バージョンの際はビク型で抜いており、四角形状でも「タングステンの硬さ」「両面テープの粘着」「厚み」が問題となり苦労しましたが、各四隅のエッジを取る為には、ビク型では四隅の中央になるひし形のカット部分で刃が干渉してしまう為、かなりの余白を必要としてしまう事が判り製品単価がかなり上がってしまいます。それではお客様の要望を満たせない!という事で、抜き業者さんと打合せ・相談・試作を繰り返し、別の方法によってサンプルが出来上がりました。その完成品がこちらです↓

P1160763 P1160770

見た目も非常に美しく、四隅ひし形もしっかり抜かれています。

 

ちなみに、抜きに関して全くの素人の私。何社かの業者さんとの打合せの際に「ビク型」だったり「トムソン型」という単語が出てきて、違いが良く判らず、社に戻ってから調べてみました。

完全に理解していませんが、どうやらビク型もトムソン型も、打ち抜き型の事を指しており、トムソン型とは米国のトムソン・マシン社が発売したトムソン型機械(発明者:ジョン・S・トムソン)が由来との事。それに対してビク型とは八百比丘尼、、、、ではなく、ビクトリア打抜機が由来と言われているとの事でした。また、東日本ではビク型が、西日本ではトムソン型が主流らしいです。今となっては特に区別なく、地域によって呼び名が違う同義語の扱いがされている様です。(所説有り)

だったら、トムソン型も「トム型」という省略呼称にすれば良いのに、、、と思ったのは私だけでしょうか。。。

 

タングステンシートに関しては、比重や厚みなどオーダーメイドも承っておりますので、ご興味のある方は是非お問合せ下さい。

 

それではまた、次回お会いしましょう。

 

 

 

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