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セラミックの接合

2018年01月19日 (金)18時39分PM

お疲れ様です。開発を担当している森です。

 

先週末、お客様から相談がありました(あまり詳しいお話はできませんのでご了承ください)。

 

「セラミックヒータと白金測温抵抗体を封止しているセラミック接着剤から微量のガスが出て困っているので、ガラスで封止できないか? 封止の際は、狭い隙間も埋める必要がある」

 

狭い隙間を埋める必要があるとのことですので、簡易的にでもきちんと実験し、確認する必要がありそうです。取り急ぎ手元にあるガラス粉末と、実験室に転がっている?セラミック部品を用意して、実験の準備です。セラミック部品は、接合の状態を評価できそうな形状が運よく見つかりました。

 
ガラス粉末です。

MSP00023
 

 

セラミック部品①です。
MSP00040-2

 

セラミック部品②です。溝の幅は0.5mmほどです。

MSP00038

 

分かりにくいですが、部品①を部品②の上に載せた状態です。部品①の丸い穴にガラス粉末を充填し、ガラスを溶かしてこれらを接合するのですが、溶けたガラスが溝に流れ込まなければなりません。

MSP00051

 

接合実験の前に念のため、ガラス粉末のみを炉で溶かして、条件の確認を行います・・・

!?   真っ黒です

MSP00002

 

・・・条件を再検討した結果、だいぶ良くなりました。確認のための実験ですので、これで十分です。

MSP00048

 

この条件で接合実験を行いました。この写真は接合後の状態で、部品①の丸い穴の中でガラスが溶けているのが確認できます。

MSP00052-2

 

側面から見た状態です。部品①と②の境界に隙間もなく、強度も十分ですが、内部の状態が気がかりです。早速、破壊してみます。

MSP00053

 

部品①の丸い穴の裏側です。ガラスが溶けてぎっしり詰まっています。

MSP00062

 
そして肝心の溝の状態です。ガラスがしっかりと流れ込んでいます。 安心しました。

MSP00061

 

この後、使用環境を考慮した最適なガラスの選定を行いますが、先ずはお客様に良い報告ができそうです。

 

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