技術情報
開発レポート

樹脂コーティングワイヤーの溶接

こんにちは。技術課の川上です。

生まれも育ちも地元・秦野ですが、血筋的には両親共に北海道出身な道産子サラブレッドの為、湿気の多い今の季節には弱り切っております。。。

 

さて、前回はPTFEコーティングワイヤーを巻線してみましたが、今回は溶接実験をしてみました。

 

ADB 2-3

写真:SUSコイルのSUS棒を溶接

 

 

PTFE(フッ素樹脂)は絶縁体なので、コーティングされているワイヤーは溶接(溶かして接合)が出来るのか??

溶接してからコーティングという選択肢もあるのですが、先に素線にコーティングしてしまう方がコスト面から考えると有利ですし、後コーティングだと細部まで均一にコーティングする事が難しくなってしまいます。

と言う事で   Let’s  try!

 

まずはSUS素線にPTFEコーティングしたワイヤーと、SUS素線の溶接。これは簡単に溶接が可能でした。

 

次にSUS素線にPTFEコーティングワイヤー同士を溶接。

社内特殊部隊TUGの陳君に、色々な形状で溶接してくれる様にお願いしたところ、、、こんな形で出来上がってきました。

P1140521

台湾でもシティーハンターって放送されていたのかな。。。

 

X Y

拡大して観察してみると、熱によってPTFEが収縮したのか、溶けてしまったのか、SUS素線が剥き出しになっています。(PTFEが黒色、SUS素線が銀色)絶縁目的でのコーティングの場合には問題となるかもしれません。

 

 

色々と試してみて、PTFEコーティングに於いては耐熱・絶縁がメリットでもありますが、溶接という工程からするとデメリットとなる事が判りました。

絶縁=抵抗溶接が難しく(断面同士などのコーティングがされていない個所は可能)、レーザー・TIG溶接となる。

耐熱=素線材料の融点が高ければ問題無いが、融点が低いと、PTFEコート表面を蒸発させる熱で素材が熱ダメージを受けてしまう。(最悪、断線)

とは言え、やり方によってはクリア出来る可能性は有りますが、具体的な内容はノウハウに関わる部分なので控えさせて頂きます。

 

現在、コイルとコーティングの組み合わせで何か出来ないか色々と模索中です。面白いものが出来たら本ブログにて報告致しますので、お楽しみに❕

 

2017-07-04
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