ソリューション事例

Case.2 フレキシブルタングステンシートの開発

技術開発部 開発課 森

背景・課題

タングステンの特徴として、「高比重」、「放射線遮蔽性能」があります。しかし、タングステンは焼結金属であり、粉末材料を高温で焼結し、鍛造して仕上げるという高コストな製品である上に、高硬度な金属で曲げることが難しく、コストと加工性において課題があります。

また、同じく「高比重」「放射線遮蔽性能」を売りにした材料として鉛が存在しますが、こちらはコストと加工性においては優位性がある反面、毒性が強く、自然や人間にとって安易に使用できる素材ではありません。

開発の概要

「コスト」「加工性」「毒性」の問題を解決するために、焼結製法における金属タングステンではなく、樹脂やゴムといった材料にタングステンを混ぜた樹脂タングステンを製造することによって、この課題を解決することにしました。

開発の詳細

用途によって「耐熱性」「耐水性」「耐紫外線性」「比重コントロール」「柔軟性」など要求される性能は異なります。よってその要求される内容に応じて、タングステン粉の大きさや、樹脂材料の内容、混合・混練の方法等を変更し、要求される性能を出していく必要がありました。

釣具のルアーに貼り付けて使用するフレキシブルウエイトシートとして、弊社ブランド ヘビーソースから発売されている W74シート(写真1 プロトタイプシートとW74シート)などがあり一般に手にとって見ることが出来ます。

また東洋ゴムと共同で開発した放射線遮蔽ベストに使用されたタングステンシートの放射性遮蔽性能についても、九州大学によって以下のように証明されました。(図表1 タングステンシートの放線透過率)(図表2 九州大学での遮蔽性能試験結果)

 

図1 タングステンシートの放射線透過率

体に有害な放射線(ガンマ線)がどのくらい透過(通り抜ける)してしまうかを実験したデータです。 樹脂を利用したW74シートは非常に薄くてもガンマ線を遮蔽できることを証明されています。
出典:放射線遮蔽シートシステム研究会

図2 九州大学での遮蔽性能試験結果

実際に線源としてセシウム137を利用して実験した結果です。
比重が同程度である金属の鉛と比較しても、W74シートは遜色のない遮蔽性能を誇ります。
・協力:九州大学大学院 有馬立身 博士
・試験実施日:2012年4月11日
・線源:Cs137
・グラフ出典:放射線遮蔽シートシステム研究会

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